関わり上手な子の親がしているたった1つのこと

子育て・教育

こんにちは、山野ユウです。

「〇〇ちゃんは、友達と遊ぶのがとても上手だな。」

「〇〇くんは、初めて会った子にも、自分から話しかけていてすごいな。」

子どもを見ていて、そんなことを思ったことはありませんか。

関わり上手な子を育てている親には、共通点があります。

本記事では、関わり上手な子の親がしていること、どのような時に子どもは人と関わるようになるのかを、小学校教員としての経験をもとに説明します。

この記事を読むことで、これから子育てをする人は、子育て準備としての教育の知識を学べます。また、現在子育て中の方は、すぐに実践できる子育てスキルを身に付けられるでしょう。

日々の子育てにお悩み中の方や、子どもに関わり上手になって欲しいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

関わり上手な子の親がしていること

結論からお話しします。

関わり上手な子の親が必ずしていること、それは、子どもに『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だと教えているということです。

子どもが、この世界は安全で安心な世界だと感じていれば、家族以外の人との関係づくりにも前向きになり、良好な人間関係を築く力を身に付けられます。

逆に、子どもが、この世界は安全で安心な世界だと感じていなければ、他人と関わることを怖がり、子ども時代における貴重な学びの機会を失うことになるでしょう。

子どもの行動には、その子ども自身が、自分の生きる世界をどう見ているかが関係しています。

子どもたちは、どのようにして他者との関わりへと踏み出していくのか

関わり上手な子というのは、親から『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だと教わっている子だとお話ししました。

『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だと教えるというのは、多くの親にとって当たり前のことかもしれません。

しかし、もし子どもの様子を見ていて、消極的だなと感じたり、臆病だなと感じたりする時には、『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だという感覚が揺らいでいる可能性があります。

ここからは、子どもの安心感や安全の確保が、他者への関わりとどう結び付いているのかについて、詳しくお話ししていきます。

産まれたばかりの赤ちゃんは何も知らない

まだお腹の中にいる赤ちゃんは、お腹を触るお母さんたちの手、自分に話しかけるお母さんたちの声、とてもささやかな刺激の中で生きています。

それが、この世界に産まれ落ちた瞬間、ものすごい量の刺激にさらされるわけです。

今まで見たことがない景色、聞いたことがない音、嗅いだことのない匂い、触ったことのない感触。

赤ちゃんにとっては全てが未知で、想像を絶する不安に襲われていたことでしょう。大きな声で泣くのも当然ですよね。

そんな中、赤ちゃんは信頼できる大人に抱っこされて、初めての安心を覚えるわけです。

全身を支配していた不安から解放され、落ち着きすやすやと眠る赤ちゃんの寝顔は、何物にも代え難い尊さがあります。

その後、何も知らなかった赤ちゃんは、信頼できる大人とともに、驚くべきスピードで世界を理解していき、「これは大丈夫。」「これも大丈夫。」と、少しずつ安全で安心な世界を広げていくわけです。

このように、赤ちゃん時代は、身近な信頼できる大人との関係の中で、『この世界は安全で安心な世界』だということを理解していきます。

安全で安心だと感じている時にだけ、他者との関係に踏み出せる

今まで何も知らなかった世界が、安全で安心な世界だと知った赤ちゃんは、やがて自分の力で歩くようになり、おしゃべりも上手になり、赤ちゃん時代の次のステップ、子ども時代を過ごすことになります。

子ども時代には、自分の世界がぐっと広がり、今まで以上に様々な種類の刺激を受けるとともに、たくさんの人と関わるようになっていきます。

赤ちゃん時代とは、世界との関わり方が大きく変わっていきます。

こちらの図をご覧ください。

出典:マズローの欲求階層説(野村総合研究所)

この図は、自己実現理論(マズローの欲求階層説)といい、小学校などの教育現場でも、研修などでよく活用されている図です。

この図を見ると、ピラミッドの下2つ(生理的欲求、安全欲求)が、今までお話ししてきた『この世界は安全で安心な世界』だと教えることにつながると分かります。

赤ちゃん時代は、生理的欲求と安全欲求を満たしてもらうことで満足していましたが、子ども時代は、さらに高次の欲求、親和欲求・承認欲求・自己実現へと進んでいきます。

もし、「他者と関わりたい。」「集団に帰属したい。」という気持ちが少ない子どもがいた場合、生理的欲求や安全欲求が満たされていないという可能性を考えてみるといいかもしれません。

やはり子ども時代でも、『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だと教えることは、とても重要なわけです。

教えるというのは、言葉で伝えることばかりではありません。それよりも、子ども時代は体験的に、『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だということを実感することが大切です。

具体的な方法としては、疲れた時に安らげる場所をつくる、困ったときに相談にのってあげる、笑顔で会話するなどの方法があります。

子どもが安心を感じる方法は、一人ひとり違いますので、その子どもに合った方法を選ぶとよいでしょう。

子どもたちは、信頼できる大人との関わりの中で、『この世界は、安全で安心な世界』だと感じ、安全欲求が満たされることで、「他者と関わりたい。」「集団に帰属したい。」という欲求が生まれ、他者との関係に踏み出せるようになるのです。

危険はあるけれど、やはり安全で安心な世界

「とは言っても、世界の危険な部分も教えなくてはいけないのでは?」

という声も聞こえてきそうですね。

もちろん、私たちの生きるこの世界には、危険もたくさんあります。

怪我などにつながる物理的な危険以外にも、他者との関係の中で傷付いたり、自分の力のなさを感じて挫折することもあるでしょう。

全てを教えきるというのは無理な話ですし、言葉で伝えたところで実感を伴わないことも多く、子どもたちが生きる中で気付いていくことがほとんどだと思います。

ここで、先ほどの図をもう一度見てみましょう。

出典:マズローの欲求階層説(野村総合研究所)

この図の矢印は上に向かっていますが、子どものもつ欲求というのは、決して一方通行ではありません。

安全欲求が満たされて、親和欲求が生じたと思ったら、他者との関係で悩むことがあり、再び安全欲求に戻ることもあります。

これは子どもに限らず、人間全てに言えることですが、いつだって安全な場所と危険な場所を行ったり来たりしているのです。まるで冒険者のように。

いつでも帰るべき場所があるから、安心できる場所があるから、未知の世界へと冒険する勇気が湧いてくるのです。

私たち大人の一番の役割は、子どもたちが帰るべき、安心できる場所を用意してあげること、つまり、『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だと教えることなのです。

子どもたちは、きっと感じるでしょう。「私たちの生きるこの世界には、危険もある。それでもやはり、安全で安心な世界なんだ。」と。

まとめ

今回は、関わり上手な子の親がしていること、どのような時に子どもは人と関わるようになるのかを、小学校教員としての経験をもとに紹介しました。

人は、一人では生きていけません。

これからの時代は、人と良好な人間関係を築いていく力が、今まで以上に求められていくと思います。

目の前の子ども達が、これからの時代を逞しく生きていくために、今、伝えておいて欲しいことがあります。

それが、『あなたが産まれたこの世界は安全で安心な世界』だということです。

一緒に、子どもたちに伝えていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

山野ユウ

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