子どもに伝える「あなたのため」は本当か

子育て・教育

こんにちは、山野ユウです。

子どもがなかなか言うことを聞かなくてイライラし、長めのお説教をした後、「あなたのことを思って言ってるんだからね。」とか「あなたのために言っているんだよ。」なんてことを言ったことはありませんか。私は、あります。

こっちはすごく一生懸命なのに、なんだか子どもには伝わっている感じがしない。そんな時、「あなたのため」という言葉は出てきやすいように思います。自分も使っておきながらなんですが、私は、この言葉にすごく違和感を感じていました。

今回は、その違和感の正体に迫ることで、「子どもに伝える「あなたのため」は本当か。」ということについて、お話ししていこうと思います。

この記事をおすすめする人

・子どもがなかなかいうことを聞かなくて困っている人

・ついついお説教が長くなりがちな人

・子どもに関わる(特に教える)仕事をしている人

子どもに伝える「あなたのため」は本当か。

違和感の正体は‥。

結論からお話しします。

違和感の正体は、「あなたのため」と言っておきながら、実際は「自分のため」の行動になってしまっていることです。

我が家では、息子が家でピアノの練習をしている時に、よくこの「あなたのため」という言葉が口から出てきやすいです。

息子がなかなか練習しようとしない時、練習中に機嫌を悪くして練習がストップした時など、あーだこーだと理由をつけては、息子を練習に向かわせようとします。そして、最後に言うのです。

「けんちゃんのことを思って言ってるんだからね。」

これって本当でしょうか。

「ピアノの練習を頑張って、上手に弾けるようになってほしい。」

「練習しないままレッスンの日を迎えたら、きっと困るだろう。」

「今、ピアノをやっておけば、将来役に立つ。」

これって本当に「子どものため」ですか。

「自分の子どもが、ピアノが上手だったら誇らしい。」

「練習させずにレッスンに行かせたら、先生に迷惑をかける。」

「自分は子育てを頑張っていると認められたい。」

実は、その裏に自分の気持ちが見え隠れしていませんか。

全てが全て、そうだとは言いません。ただ、感情的になっている中で、ふと口から出た「あなたのため」という言葉の裏には、「自分のため」が隠れていることが非常に多いです。

親と子どもは、特別な関係か。

まだ小さい子どもは、基本的に、お母さんやお父さんの言葉を絶対的に信じています。ですから、「あなたのため」と言われれば、その言葉を信じて、お母さんやお父さんの言う通りにしようとしますし、言った通りにできて誉められば嬉しくなります。

親と子どもの関係というのは、とても密で、第三者が介入しづらいところがあります。よくも悪くも、特別な関係だということができそうです。

この関係の危険なところは、親と子どもの間に第三者が入らなければ、もし間違った方向に進んでいたとしても、気付くことがないというところにあります。

だからこそ、親には、常に客観性をもって、ある程度の距離を保ちながら子どもと関わる必要があります。

「自分の子どもだから、大丈夫。」

こんな風に考え始めたら、黄色信号。自分と子どもの距離が近すぎて、客観的な判断ができなくなっている可能性が高いです。

自分の子どもは、特別です。まだ何もできない赤ちゃんの頃から見守り、育ててきたわけですから、特別に感じる気持ちは私にもとてもよく分かります。

ただし、自分の子どもとは言っても、自分とは別の人格をもった一人の人間(いってしまえばただの他人です。)であることには変わりありません。

客観性を保ちながら、尊敬と親しみの気持ちをもって接するようにすると、子どもに対してイライラすること、関係がこじれることは、少なくなるかもしれません。

子どもにイライラしたら、どうするか。

先ほどお話した通り、子どもに対してイライラする時というのは、子どもが自分の思い通りに動いてくれない時が多いです。

しかし、よく考えてみれば、子どもは、自分とは別の人格をもった一人の人間(改めて言いますが、他人です。)でしかありません。思い通りに動いてくれないからって、イライラした状態で自分の気持ちを伝えても、上手に伝えることは難しいです。

落ち着いた状態で、客観性を保ちながら、尊敬と親しみの気持ちをもって子どもに伝えましょう。

そのためのステップは、次の4つです。

1 知る

まずは、客観性が保たれていない親子の関係は非常に危険だということを知ることが大切です。例えば、このブログの記事を読んだり、子育て本を読んだり、友達から聞くでも構いません。どんな方法であれ、知ることが改善への第一歩です。

2 気付く

次に、いざ自分がイライラした時に、「あっ、今、私、あんまり良くない状況だな。」と気付くことが大切です。感情に任せて、子どもへの説教を始めてしまった後でも、ふと我に返って、自分の今の状況を客観的に見られることもあります。ちょっとでも、今の自分への気付きがあったら、お説教をストップして、次のステップに進みましょう。

3 落ち着く時間をつくる

感情的になってしまうことは誰にでもあります。問題は、その状態のまま、今の問題を解決しようとすることです。感情に支配された主観モードの状態で、問題解決に挑んでも、散々な結果になることが多いです。子どものことを誰かに任せられるなら、誰かに任せる。それが無理なら、同じ空間の中でも、子どもとできるだけ距離を取る。それも無理なら、子どもにテレビを見せるなどして、自分が落ち着く時間をつくるといいと思います。

4 言語化する

最後に、どうして自分はイライラしたのかを客観的に捉えるために、言語化することが大切です。このステップを経験しておくことで、次回、同じような状況になった時に、違った行動をとれる可能性が高くなります。言語化の方法は、人それぞれ、自分に合った方法で構いません。紙に書き出す人もいれば、誰かに話を聞いてもらう人もいます。私は、書き言葉にすることで、脳内が整理されるタイプなので、ブログの記事を書くことが、この言語化のステップになっています。

ここまでくれば、かなり冷静に、客観的に自分の出来事を捉えられるようになっているはずです。その上で、一人の人間として、子どもに伝えたいことがあった場合は、伝えることにしましょう。尊敬と親しみの気持ちを忘れずに。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、「子どもに伝える「あなたのため」は本当か。」ということについて、お話ししました。今回の内容は、一生懸命子育てをしている人ほど、陥りやすい内容でもあります。

いろいろ考えて子どもと関わっているのに、なんか上手くいかない。

子どもの幸せを誰よりも願っているのに、なんだか苦しい。

そんな人たちに、この記事が届くことを願っています。

一緒に子育てを楽しんでいきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

山野ユウ

東京都で公立小学校の教員として12年勤務。2022年9月から、フリーランスのライターとして活動開始。4歳の娘、6歳の息子、妻とともに、主夫としても奮闘中。趣味は読書、筋トレ、サウナ、散歩。ブログ『元小学校教員 山野ユウの子育てお役立ちblog』管理人。子どもも大人も幸せになれる子育てや生き方について、日々、情報発信中。

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